人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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まどろみの中へ 難波田龍起

韓国の抽象を見るついでに所蔵品展も見た。

www.operacity.jp

 

入ってすぐにくれるパンフがカラーなのでまたびっくりだ。

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めっちゃ豪華じゃん…所蔵品展だけだと200円とかまじかよ…大小あわせて69点とかいっぱいあるじゃん…

ついでにさらっと見ようってボリュームじゃなかったです。

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春の歌

初期の作品です。なんか、なんかどっかで見たことあるような、よくある抽象画のような。

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ジョルジュ・ブラックっぽいね。
初期作品はこういう、ありがち感が強い。シャガールっぽいのとか。

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しかし、1980年頃を境に独自性が出てきてすごくきれい。
最初に見てうぉ!ってなったのがこれ。

古代の夢C f:id:minnagi:20171207142003j:image

曖昧模糊な夢の世界の中で、打ち棄てられた城が遠くに見える。
眠れる森の美女のような印象。まっくらもりの歌みたいな。

www.nhk.or.jp

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 暁

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こちらも燃えるようなくれないの中、浮かび上がるのは海にそびえたつ岩壁か、打ち棄てられた街並みか。

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なにが描かれているのかよくわからないのがいいと思う。
センチメンタルな印象画かもしれないけれど、自分だけのおとぎ話がその中に見て取れる。
こうして1枚1枚とじっくり向き合うのもいいけれど、長い壁にいくつもいくつも架けられているところで、歩きながら見るのがよい。
絵の中に何かが見えたような気がして、引き返してもさっきちらりと見えた何かはもう姿を消している。そういうシュミラクラを楽しみたい。
寒色でも温かい印象の色使いが多く、控え目で圧が薄いのもそういう見方に向いている。

あまり有名な作家ではないようだけれど、結構好きです。
200円くらいの薄い図録売ってたから買っちゃった。