人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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目から心へ 表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち

「表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち」を汐留に見に行ってきた。

panasonic.co.jp

実はルオーはそれほど好きじゃないんだけど、ポスターに使われているカンディンスキーの絵が結構好みだったので行ってみた。たまたま時間が空いて、たまたまそっちに用があったから。
ボリュームたっぷりだったよ。
この美術館は毎回降り幅の大きい展示だから予測しづらいのだけれど、好みで無いことはあってもショボイと思ったことはない。

 

19世紀末~20世紀初頭の絵画がものすごく好きだ。
今回の展示は「目で見たものをそのまま描く」印象派から「対象の再現ではなく画家の感情の表現を重視する」ドイツ表現主義青騎士など、「写生や写実ではない、また、具象絵画であっても見たままのものを表現しない」抽象絵画へ。すなわち近代絵画から現代絵画への流れを見て取ることができるのではないかと思う。
特にカンディンスキーは、抽象的になりすぎて印象派を追い出された経緯なども紹介されており、画風が大きく変わっているのでこの流れが見えていいなと思う。

ルオーは元々モローに師事していたというが、余りにも画風が違いすぎてちょっと笑える。

途中で「え?この絵カンディンスキーでもルオーでもないよね?でもめっちゃ好きなにこれ??」って思った絵があって、キャプション読んだらパウル・クレーだった。
クレー好きなんだよ~好きなんだよ~~いっぱいあってうれしかった。
こういうサプライズがあったりするから、美術展情報って事前に調べない派です。
最初から知った気になっちゃうのもつまんないけど、予備知識が無くて表現されていることがわからないのもつまらない。
善し悪しだけどね。

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ワシリー・カンディンスキー「水門」1902年

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まだまだ印象派風なカンディンスキー。水面の表現など、モネの睡蓮を思い出します。
けれどもまばゆい印象派の雰囲気は全くなく、低い彩度高いコントラストでどことなく不安を誘う印象です。

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ワシリー・カンディンスキー「商人たちの到着」1905年

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メインビジュアルに使用されている絵。前の絵とはがらりと変わってイラストレーションといった雰囲気。黒い地に色を載せていくこういう手法、結構好きです。
結構大きい絵で、見ての通りザクザク色を載せて行っているのですが、どこまでもきっちり作り込まれています。

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参考:これは展示されてなかったけど、いわゆるカンディンスキーらしいポストカード買わなかったのでフリー画像。

ワシリー・カンディンスキーコンポジション VIII」 1923年

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20年で変わるものだねぇって言う。

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パウル・クレー「橋の傍らの三軒の家」1922年

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クレーの絵、好きなんですよねぇ。なんだかよくわからない絵だけれど、色が好き。
今回たくさん見れてラッキーでした。
この絵は何となく、キリスト降誕を思い出すんだよね。宿屋に泊まれないシーンのあたりを。
すごく温かそうな絵なんだけどね。

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最後にイベントコーナーがあって、カンディンスキーの商人たちの到着を背景に自動で写真を撮ってもらえます。
一応試してみたんだけど、これ、当日限りダウンロード可能なのね…ダウンロード忘れて受け取り損ねたよ……
自分の写真なんか欲しくないからいいんだい。

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