人の金で美術館に行きたい

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。

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かわいい悪魔 ベルギー奇想の系譜展

7月の15日に行ってきたんだけど、色々あって書くのがものすごく遅れてしまった。

fantastic-art-belgium2017.jp

www.bunkamura.co.jp

 

ベルギーって大物作家が多いな!って言うのが正直な感想。
ボスとか、ブリューゲル一族とか、マグリットとか、クノップフとか。フランダースの犬で有名なルーベンスとか。有名どころが多く来ていてとてもキャッチ―だ。
しかもベルギーはチョコがとてもおいしい。えらい。

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 ヒエロニムス・ボス工房「トゥヌグダルスの幻視」

放蕩の騎士トゥヌグダルス(左手前、赤い服の人)が3日間地獄めぐりをするという話。
アレゴリーというほどではないけれど、色々と小道具で説明をしているのが面白い。

例えば中央手前の人はサイコロの上にいて悪魔に責められている。中世では賭博は罪とみなされていた。
右側の円筒状の中にいる人は無理やり酒を飲まされている、大食の罪。
ベッドは貪欲の罪だろう。巨人の鼻から金貨が降り注いでいるのは貪欲なものたちに、金なんて汚いものだといいたいのだろうか。
罪を表すという巨人の耳から木が突き出しているのは、まともな言葉を聞き入れることができないといいたいのか。ネズミに目を覗きこまれても動けずにいるのは愚かさゆえなのか。

それぞれの部分が何を表すのか、もう失われた文脈のものも多くて全てを読み解くことはできない。それでもどんな意味があるのかと考えるのは楽しいものだ。

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たくさんの魔物たちは現代の目で見るととてもユーモラスでかわいらしい。当時の人から見るとどうなのだろうか?ユーモラスなのか、恐ろしいものなのか。
頭の上にいるこの魚みたいな子が一番かわいい。
蛇は原罪だね。

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ピーテル・ブリューゲル(父)原画7つの大罪より「傲慢」
ボスの雰囲気を受け継ぐ百鬼夜行
あちこちで使われる鏡は虚栄を表します。クジャクも伝統的に傲慢を表すものだったり、これもアレゴリーに満ちている。

でもこちらの方が理路整然としているんだよね。
ボスみたいなナチュラルボーン・狂気を感じない。やっぱり流行に乗ってやってみたんだろうなぁというビジネス・狂気にしか見えないんだよね。

ブリューゲルはあくまでも絵画作品としてやっている感じだけれど、ボスには本当にああいう風に世界が見えていた可能性が1/3くらいある気がする。
「師匠、どうしてこんなすごい悪魔を思いつくんですか?」
「何を言ってるんだ君、そこにいるじゃないか、ちゃんと写生したまえ」
みたいな可能性が相当にある。

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ピーテル・ブリューゲル(父)原画七つの徳目より「正義」

ブリューゲルは、上のボス風の絵とこちらのようなオリジナルの絵を比べるのが楽しい。どうみてもこっちの方が気合が入っている。多分本人、こっちの画風の方が書きたいんだと思う。おそらくは敬虔なキリスト教徒で、神を讃える者の方が作りたいんだと思う。

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ペーテル・パウルルーベンス原画「カバとワニ狩り」

ルーベンスは版画だけでオリジナルなくてちょっと残念。けれどものすごい躍動感だ。
古い時代の絵は「ああ、この人本当にカバ見たことないんだろうな」ってのも多いんだけど、これは実物を見たことがある人の絵な気がする。
もちろんこれは空想上の風景だけれど、現実味がすごくある。

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フェルナン・クノップフ「もう、けっして」
クノップフが多くてうっとりする。この人の絵は退廃的で耽美的で、絶対に手に入らないものに対するあきらめを込めた憧憬が好きだ。
写真のようにリアルなんだけれど生気が無く、太古の大理石像を見ているような気がする。

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ルネ・マグリット「9月16日」

光の帝国を思い出すね。

ざっくりと描かれたリトグラフ、ちょっと珍しいね。油絵はきっちりかっちり描く人だから。とても美しい色で、こういう作品もいいなぁと思う。

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ヤン・ファーブル「死の死者、慰めの象徴」

もふもふ!もふもふ!
もふりたい。下に広がる羽毛の下に手を突っ込みたい。かわいい。
展示入り口にもこの人の作品があって、それは甲虫を一面に張り付けた気持ち悪いオブジェなんだど、なまえが「ファーブル」だから「え?昆虫記の人?親戚??」と思ってしまう。全然関係ないそうです。

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中世から現代まで、幅広いところから様々な作品を出してきてとても面白い。
現代アートもすごくかっこよくて素敵だなぁと思った。
あと、ねこ。猫がいる。猫かわいい。

猫に会いに行くといいと思う。