人の金で美術館に行きたい

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真の画家の秘密 読書感想文、サルヴァドール・ダリ

図書館に行ったら派手な本があったのでフラフラと借りてしまった。

あのサルヴァトール・ダリの書いた本である。
常に画家を演じ続けた彼の書いた本であるから、どこまで本気で描かれているのかわからない。蜘蛛を捕まえて魔術めいたオブジェに巣を張らせろとかオカルトめいたことも書かれている。そんなことマジでしたんかいな?と思うけれど、時代背景を考えると単純に切って捨てるわけにもいかないかもなと思う。
大真面目に降霊術とか自動筆記とかやっていた時代だものね。

 

しかしそういう個所以外は、意外なほどにまじめな絵画の指南書である。
アマゾンレビューによれば訳がいまいちな個所があるようで、特に色名のところとか変なことになっているようだ。結構力入れて書かれている個所だけに残念だなと思う。油絵描いたことあるけどまじめに取り組んでないからわかんないな。私、絵は下手なんだ。

 

けれど絵画技術上達法として「2色の白と2色の黒だけで描く」「人物の頭ではなく足元から描く」「モデルに糸でガイドを引いたり、目印を付けた松葉杖でポーズを固定する」(ダリの松葉杖は、日本で使うT字型ではなく絵に出てくるY字型のやつだ)なんかは結構実用性があるのではないだろうか。

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「2本の足を描くのではなく、足の間の空間を描く」などと言われると、お絵かき苦手勢からするとなるほどなるほどと頷いてしまうものだ。
実際に絵を描いている人の感想も聞いてみたい。

 

じゃ絵を描かない人が読んで何の意味があるんよ?っていうとね。
この本中がすごい凝ってて面白い。
ダリのイラストがふんだんに入っているし、本人の注釈や訳注がたっぷり入っているのも楽しい。元の絵を残しつつ絵の中の文字も綺麗に訳してくれるのもいい。

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素晴らしい画家になるための秘伝、という名目で何度も妻ガラをたたえているのも可愛くていいなと思う。

 

「真の画家は、空っぽの砂漠を前にしても、カンヴァスを途方もない場面で満たすことができるはずである」
「真の画家は、果てしなく繰り広げられる光景を前にしても、ただ一匹の蟻を描写することに自らを限定することができるはずである」
この絵は美術展で見たことがあるのだけれど、ほかにもシリーズ絵が入っていてうれしい。

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もともとこの本のために描かれた絵だから、文章と合わせて読むと「画家・ダリ」としての自負を感じられて素晴らしいなと思う。

絵画に触れ合う人は一読の価値がある本だと思う。

 

ダリの絵で一番気になっているのはこれ「テーブルとして使われるフェルメールの亡霊」だ。

実はこの絵の実物は見たことが無い。じゃあ何で知っているかというと、昔何かの本で記述を読んだことがあるのだ。どの本だったかは忘れてしまったけれど、ずっと実物が見たいなぁと思い続けている。
何の本だっけな。ぽっぺん先生じゃなかったっけな。

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