人の金で美術館に行きたい

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。

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オーソーレミーオ ジョアン・ミロの疑惑

先月、と言っても数か月前だけれど、デパートのエスカレーターを降りたところに美術品販売コーナーがあった。もちろん買うお金もないし飾るスペースもないのだけれど、何となく見ていたらポストカードが展示されていて、ついうっかり衝動買いしてしまったのがこれだ。

「Wonan and bird」1966年

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だって、かわいかったのだもの。
基本的に絵画は写実的なものが好きなのだけれど、これは欲しいなって思っちゃったんだもの。一目ぼれだったのだもの。

 

ジョアン・ミロ - Wikipedia

ジョアン・ミロはスペインの20世紀の画家・彫刻家だ。一応シュルレアリストとされることが多いが、とても「レアリスト」とは言えないだろう。抽象画というよりは子供の落書きのような絵を描く人だ。
ジョアン・ミロと言って親しみがあるのは、関西の人かもしれない。大阪の国立国際美術館に大きな「無垢の笑い」という壁画があるから。ここは、建物自体も美しくてとてもいいところだと思う。

 

「無垢の笑い」1969年

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これに限らず、ミロの絵はみんな笑っているようだ。
この絵は笑顔そのものを描いたものではないが、画面を埋め尽くす様々な生き物たちが楽しげにうごめいている。見ていて楽しい絵だなぁと思う。

 

横浜美術館には大きい彫刻がある(いつも思うのだが、彫っていない塑像も彫刻でいいのだろうか?まあいいか)
円の部分と土台の本のようなところに、ミロ特有の生き物がいる。
しかし、見れば見るほどどこが女の頭なのかわからない。牛のような、象のような、アビヌス神のような謎の物体だ。
わかる?って聞かれたらわかんねって答えるけど、好き?って聞かれたら好きっていうよ。

 

女の頭部 1975

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とまぁ割とミロのことは気に入っているのだけれど、あまり大量に作品を見たことはない。最近はあまりフィーチャーされていないと思う。
なのになんで今ミロの話をしているかというと、京都人のせいだ。

京都人は京都生まれで、両親が芸術家だそうだ。なので、美術史とかにちょっと詳しい。その彼曰く。

「ミロは絵が下手だ」

というのである。
彼の絵は写実的ではないとか、芸術性に欠けるとか、そういう意味ではない。単純に下手なのだという。

「ミロは芸術学校に入学する時、試験で描いた絵があまりにも下手だったので、教授が『ここまで下手なのは逆に才能があるに違いない』と言って入学させた」

と彼は主張する。本当なのだろうか。ちょっと調べたくらいでは出てこないのだが、本当なのだろうか。だとしたら面白すぎるではないか。


でも、ちょっとだけ本当にそうなのかもなと思わせるものが彼の絵にはある。
南東言うか、説明しづらいんだけど、抽象画を描く他の画家は『写実画もうまいんだろうな』と思わせる何かがある。
ピカソがめっちゃ写実がうまいのは有名だし、他の画家も何となく作風でやってるんだろうなと感じるものがあるのだ。
印象派や、フォーヴィスムの画家なんかも、習作やデッサンはきっちりかっちり取り組んでいたりするものだ。
けれどミロにはそういう作品がなかなか出てこない。どうなんだろう。本当は、どうなんだろうか。

KIRIN~美の巨人たち~(ミロ回)

抽象でない絵、なんとなーくルソーぽいタッチだったり、セザンヌっぽいタッチだったりするんだけど、どうなんだろうなぁ。

 

抽象画、というか写実でない絵も結構好きです。ミロとかクレーとか、かわいらしい感じの絵が好き。ルオーはちょっと重苦しくて苦手だけれど。厚がすごいから。
だから、ミロもいわゆるミロらしい絵が好きだ。それで十分、全然かまわない。
でもここまで強く主張されると、ミロが本気で描いたデッサンが見てみたい。石膏像とか真剣に書いたものが見てみたい。そのうえで、うまいのかどうか検証してみたい。

でも、写実画が下手でも本当は全然かまわないんだ。
だって、ミロの絵はとってもかわいいから。