わかんなくて面白いこと 柿傳ギャラリー 池田 瓢阿・泰輔 竹芸新作展
新宿駅の東口を出てすぐのところに柿傳ていう超高級懐石料理屋があるのを知っているだろうか?
もちろん入ったことはない。
ランチ4000円とかディナー8000円からとかで普段使うレベルの店ではないし、多分ふらっと行っても入れないのではないかと思う。
しかしその地下にある柿傳ギャラリーには何度か行ったことがある。
割烹料理屋が運営するギャラリーなので和食器の展示販売がメインだけど、ここはまぁ、すんごい。
展示品もレベル高いし客層もあからさまにお金持ちである。着物とか着ている。(金持ちに対するイメージが貧困)
ツイッターとか面白いよ
て言うか、この店の名前読める?私読めなかったよ正直。
入口にいきなり川端康成の書とかあるの何なんだよ。
今回の展示は、「池田 瓢阿・泰輔 竹芸新作展」茶道具のうち竹細工がメインだった。
茶道の心得はない。
お茶はワークショップとか、お祭りの500円体験コーナーとかでしか飲んだことが無い。だから、道具の良しあしなどわかるわけもない。
和服を着た品のいいおばさまたちが作者さんと談笑しているのを横目に、京都人と「わかる?」「わかんね」とヒソヒソしながら気配を消して見ていた。
とにかくお値段が高くて、なんでこんなに高いのか正直全く分からないし、こんな高価なものを使うのが侘び寂びなのかちょっと疑問に思えてくる。まぁ茶道の成り立ちからすると、道具は部下たちへの褒章品としての価値も持ち合わせているのだから、高い必要があるのだろうか?
一番わかんなかったのは、竹を上下水平に切って円筒形の花入れにしていたものです。どちらの作のものかは忘れてしまったけれど、7万とかした。切っただけなのに。切っただけなのに。あれは本気でわからない。
んだけど不思議なことに、タイプの違う花入が2個並んで展示されていたりして、どっちの方が高いかってなんとなーくわかるのもあるんだよね。
一定数以上インプットすると、何となく判断基準が出てくるんだと思う。
わかんないやつはわかんないけど。
パンフレットから。公式サイトにもあるけど。
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池田 瓢阿さん「蝉籠花入」
なんでかはわかんないけど、「これはいいものだ」オーラが半端ない。
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池田 泰輔さん「唐物写 木耳付籠花入」
めっちゃ細かい。めっちゃめちゃ細かい。
細かいことはいいことなのか?わからないけど面白い。
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池田 瓢阿さん 茶杓 銘 「高千穂」 「籠地茶器 黒柿蓋」
いくつか茶杓があったけど、こっちの茶杓とあっちの茶杓のどっちがいいのかは分からなかった。結局こういうのは趣味だからなぁ。
といいつつ、じゃあわかるとわからないの違いってなんだろうなと思う。
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公式サイトに乗ってるのだと、池田 瓢阿さんの”黒楽茶碗 銘「花神」”ってのがよかったよ。チューリップみたいなボタンみたいな、ぽってりした器だったよ。
「 青磁筍花生」ってのもすごくいい色だった。
サイトにもパンフにも乗ってないやつで行李っぽいのが合ってそれもよかった。
外側は普通に丁寧に編んだかごだけれど、内側に筍の皮みたいなのを貼って漆をざっくり塗ったやつ。内側の艶めかしい感じがよかった。
いや~本当にいい品物だったんですけれどね。「うちには猫がいるからね」「竹細工は猫がバリバリしちゃうからね」って言い訳しながらギャラリーを後にしたけれど、全身ユニクロと無印の我々はもともと客として認識されていなかったのである。
ゆっくり見れてありがたい。
余談だが、7/5日水曜日に次の展示会のオープニングパーティがあるらしい。予約不要無料で日本酒と柿傳のおつまみが振舞われるらしい。
私は残念ながら用事があっていけないのだが、行ける方は是非行って欲しい。チェックして欲しい。おつまみ、気になる。