レアミュシャ 伊藤忠青山アートスクエア ~民衆のための芸術(デザイン)とチェコへの愛~
昨日の続きだよ。
今回はちょっとレアなミュシャの絵だよ。
書籍「舞台衣装」から「イザナギのみことと イザナミのみことの舞台衣装」
さらっと飾られているけれど、一番の目玉じゃないかなぁと思う。
どんな舞台だったのかなぁ。ていうか、デザインだけだったのかもね。
イザナミは奈良時代な感じ。矢を持ってどことなくディアナを思わせる。少し勇ましく、凛とした姿が美しい。
イザナギは完全に武士。刀持ってるし、裃風な感じ。
ジャポネズムというにはあまりに和服そのままだし、和服というにはちょっとエキゾチック。
きれいだから、ガチ和服じゃなくていいのだ。というか、ちゃんとした和服が見たければ日本画を見るものね。
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「リュシャン」
フランスとスペインの国境、リゾート地リュションの宣伝ポスター。
女性じゃなくて男性だったり、作風がちょっと違うとかで一時はミュシャ作品ではないとされていたけれど、研究の結果ミュシャ作と判定されたそうです。
確かに男性メイン珍しいですね。濃い顔とかもイメージ違うところはある。
馬の鬣とか背景とかはミュシャっぽい感じはするけれど、同時期に似た画風の作家も多かっただろうしね。議論がわくのもわかる気がする。
陽気で美しく、ちょっと行ってみたくなる素敵なポスターです。
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作品名控え忘れました。すみません。
台所で食材と戦う小人たち。なんだこれー。
どことなくダリっぽい感じあります。
うーむ、映り込みが激しすぎる。
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「国の目覚め」
チェコスロヴァキア独立記念版画。ハプスブルグ家の支配から解放された喜びを、足枷が外れた少年が現している。後ろの女性は伝説のチェコ最初の女王リブジェとのことです。
スラヴ叙事詩に通じるものがありますよね。
後期の作品はこのような愛国心を前面に出した作品が多いです。
とても細かく描きこまれた美しい絵、元挿絵画家の実力発揮です。
ジャングル・ブックみたいな少年が喜びを爆発させる様はとてものびやかで美しいです。
背景の人々は祝祭の準備を進めています。こうした無名の市民たちを描く様こそ、”民衆のための芸術”なのだと思います。後期ミュシャのこういうところが好き。
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「ハースト・インターナショナル」1922年6月号
アメリカの雑誌表紙です。ミュシャらしく華やかな髪飾りの女性が手に持つのは笹、七夕飾りですよね。ですよね?自信ないけど、そう見えるよね?
まさかのジャポネズム。
全体的に硬さが目立つのは、中期の一番忙しかったころの特徴かなぁと思います。
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グッツもいっぱいあったよ。こんなに大量のポストカード初めて見た!ってくらいあった。あと、和三盆にミュシャの絵をプリントしたものもあって凄いなぁと思った。
この展示会でしか手に入らないという図録は最大級500点以上の作品が収録されているとのこと。ぱらぱらめくってみたら、確かに見たこともないような絵がたくさん入っていて買おうかどうしようか本当に迷いました。
でも、買わなかったの……だって、もう我が家には置くところがないから……
(あと、写真がぶれたりピンボケしたりであまり質が良くなかったから)
そろそろ、図録こそデジタル化してほしいなぁと思います。CDでもDVDでもいいからDL販売でも構わない。PDFで全然いいから。電子書籍はちょっとやだ。配本元が撤退したら読めなくなるものは買いたくない。
複製問題とかあるだろうけれど、そんなん紙の本だってスキャンしちゃえば同じじゃんねぇ。
拡大縮小してゆっくり鑑賞できたら嬉しいし、画質がちょっと低めでも軽くてかさばらないというだけで喜ぶ。
ぜひぜひ検討してほしいものです。