人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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私にもください ようこそ、ボンボニエールの世界へ 4/8

銀座ミキモトに行ったよ。今回の銀座訪問はこれが目当てだったりする。
ボンボニエールというのはお祝い事の時に配られる金平糖入れです。特に工室限定というわけではないけれど、やはり日本では皇室のイメージが強い。
ミキモトは皇室御用達のジュエラーということで今回展示しているようだ。ボンボニエールの製作もしていたのか?というところまでは、展示からはわからない。

 

www.mikimoto.com

最近天皇即位30周年記念でいろんなイベントをやってるよね。
このイベントを企画した時点で、まさか30周年になったとたん平成が終わるとは思ってなかっただろうなぁ。

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一個だけ撮影可能。こうしていつどこで使ったのかという資料があると楽しいよね。

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細かいところまでよくできている。
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頭は赤く、尾羽は黒く塗られている。
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他にもたくさんの種類があった。
金平糖入れというからには箱なのだが、どこから開くのがわからないのもある。それをどう開けるかという表示も2個だけどあってなるほどなと思った。
ミキモトらしく、ボンボニエールだけでなくジュエリーも展示されていてめちゃ豪華。

宮家が減った関係で製作の機会が減ってるとか、最近は陶器のものが主流とか、皇室に近いからこその解説もあって興味深い。
陶器の方が作りやすいし金平糖もたくさん入るけど、やっぱり銀製の方が面白いよねぇ。形も画一的だとちょっとつまんない。
なんて、どうせ私はボンボニエールもらえるようなご身分じゃないからどうでもいいんですけどね。

なんだけど他は撮影禁止だし、特にパンフレットもないのでブログ記事としてはちょっと迫力のない文章にならざるを得ない。


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ので、代わりにかわいい猫をみると良い良い。

【感想】魔法使いになる14の方法

書籍データ

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好きだ!この本マジで昔から好きだ!

中高の頃に読んだ本です。すごい好きだったけどもすでに本屋に見つからなくて。各短編のタイトルは覚えてたけど流石に本のタイトルはうろ覚えで、ずっと探してました。

最近の図書館は、短編集の収録タイトルで検索出来るんだねぇ。賢くなったものだ。というわけで本のタイトルさえわかれば今ではネットでサクッと手に入ります。さぁ買おう。君も買おう。我こそは読書家だという人は今すぐ買って収録作「何か読むものを」を読むべき。

 

全部書くのも冗長だよなぁと思うので、ちゃんとした感想は特にお気に入りのやつだけ。

  

 

ドゥ・ララ教授と二ペンスの魔法

  • E・ネズビット

正統派児童文学って感じ。可愛らしく、教訓めいた話。私はイギリス児童文学で育った人間なのですごく馴染み深い。

学校奇譚

シンプルなクラシックホラー。短い話ながら段々と恐ろしい事実が明らかになって罠にはまっていく様とか、王道で良い。

悪魔の校長

  • ジリアン・クロス

可愛らしいコメディ。明るくて機転の利く女の子がとても魅力的。

ワルプルギスの夜

  • ハンフリー・カーペンター

シリーズ物の一つなんだろうな。新し目の児童小説。ハリポタとか、ちびっこ吸血鬼とか、そういう雰囲気。ちょっと頼りない先生がとても可愛らしい。ファンタジックビーストのニュートみたい。

暗黒のオリバー

これはちょっと雰囲気話って感じかな。風のない真夏の正午。強い日差しでできる短い濃い影。ストーリーはぼんやりしているけど美しい。

さがしものの神様

  • ジョーン・エイキン

子供に嫌われる子供の第一は「嘘つき」だと思う。嫌われて、無視されて、なんとか注目を得たくてまた嘘をついて嫌われる。そういう子いたなぁって苦々しく思い出す。
新入生の嫌われてる感じとか、逆転のアイテムを手に入れた喜びとか、それでどんどん悪化していく感じとか。読んでてああああってなる。
またこの誰も救われない感じの終わりかたも好き。

 

ダブラーズ

  • ウィリアム・ハーヴィー

ちょっと雰囲気の違う話。ホラーというよりドキュメンタリータッチが入っているような。手元から始まってどんどん大きくなって転がっていき、また一周して戻ってくる。そうしてもう終わったような顔をして、まだ背後に何かを秘めている。そんな話。

飛行術入門

これもキャラクター小説。女の子の可愛らしさ。なんだか自分でも魔法が使えるようになりそうで、子供に人気でそう。

中国からきた卵

現代物。登場人物がみんな大人なのが、ファンタジーというより現実を舞台にしたリアリティのようで面白い。

お願い

ストーリーラインは実にシンプルで、ああ子供ってこういうことするなぁという懐かしい思い出からどんどん余裕がなくなって破滅していく様が、迫真の描写で描かれている。表現がとても良い。

こうやって自分で自分に制約をかけて、自縄自縛していくのが真の魔術なんだろうな。

 

見えない少年

なんか…なんかすごいつらい…
SF作家のイメージが強いブラッドベリがファンタジー?と思うけどやはり一捻り効いている。

魔法使いの老婆のキャラクター造形がすごくいい。そしてすごくつらい。希望するものになりたくて、なれなくて、でも諦められなくて、今更後戻りもできなくて、ずっと自分自身に嘘をつき続けてる。そうやって自分を騙すことに慣れきってしまっている。

人生ってそういうところあるよね。全部理想通りになんかいくわけがなくて、見て見ぬ振りをしている、気づかないふりをして認めないでいるしこりってあると思う。

そういうところをざらりと逆撫でされるような話。とても悲しい。

 

わたしはドリー

  • ウィリアム・F・ノーラン

怖い。あっさりした語り口で洒落にならない現実の恐怖と狂気が語られている。どこまでが本当でどこからが幻覚なのか。語られている事柄をどこまで本人が事実と把握できているのか。意図的についている嘘なのか、強いストレスでそう思い込んでしまっている、本人にとっては救いの魔法なのか。

はたから見ると狂気でしかないけれど、目覚めない方がいいのだろう。その結末は救いのままにした方が良いのだろう。

 

なにか読むものを

最っ高のホラー。本に取り憑かれた人なら誰でも、主人公の少女に共感してしまうだろう。うまく世間に馴染めず、馴染めないことより馴染むことを強制されることに苦しんでるところとか。活字中毒の描写とか完全に読書中毒あるあるでしかない。

そうなって惹きつけるだけ惹きつけておいての転落はほんと恐怖でしかない。

私がこんな地獄に落ちたらと思うと本当にゾッとする。逃げることも狂うこともできずにいるなんて耐えられないけど、耐えられなくても逃れられないんだよなぁ。怖。

 

キャロル・オニールの百番目の夢

すっごく可愛い話。ふわふわピンク色の綿あめみたいな話。

才能はあるけどまだ幼い少女。ステージママに乗せられてちょっぴり傲慢になりかけてる子が自分を見つめ直し、子供らしさを取り戻す話。

カーニバルのような世界の表現、開放感のカタルシス、魅力的なキャラクター。

モーリス・ドニのプシュケの物語みたいな世界。

 

ホラーからコメディから、様々なタイプの話があって良い。出版されたのがちょうどハリポタが人気だったせいか、序盤にやたらハリポタの話が出てくる。あやかりたさがビシビシ伝わってくるけど、J・K・ローリングの話は一個もないよ。

各話の前についてる序文も面白いし、一カットずつついてる線画も児童小説に親しんでる人にはおなじみのタッチで懐かしい。文句の付け所がない一冊。

 

【粗筋】粘膜人間

書籍データ

  • タイトル:粘膜人間
  • 作者:飴村 行
  • お勧め度:80点

主要登場人物

  • 利一 長兄
  • 祐二 次兄
  • 雷太 利一、祐二の義理の弟。195㎝、105㎏の小学生
  • ベカやん 元兵士
  • モモ太 カッパの長男
  • ジッ太、ズッ太 カッパの弟
  • 清美 「非国民」の妹

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↓粗筋開始(白文字)↓

父親の後妻の連れ子としてやって来た雷太はまだ小学生だが非常に力が強く乱暴だった。母親が雷太や夫を捨てて駆け落ちして以来その性格はさらに荒くなり、家族を蹂躙するようになった雷太を、義理の兄利一と祐二は殺そうとする。流れ者の元兵士ベガやんにカッパのモモ太達を紹介された二人は、雷太を殺す代わりに女を差し出せとモモタに要求される。二人は兄が兵役を逃れて女と駆け落ちした非国民であると村八分にされている少女清美を紹介することを約束する。
殺害計画の日、モモタは約束を破って清美のところに行ってしまう。代わりにやってきた弟なジッ太とズッ太が誘き出された雷太を殺そうとするが、返り討ちにあった二人とも死んでしまう。騙されて殺されるところだと知って怒る雷太は利一と祐二を殺そうとするが、祐二はなんとか斧で雷太を倒すことに成功する。
死亡した雷太とジッ太ズッ太の死骸は古井戸の中に放り込まれる。モモタにどう説明するか悩んでいると清美のところから憲兵に追われて逃げてきたモモタは、利一らに構うことなく森へと逃げていく。

 

非国民の妹清美は、精神を破壊されていた。憲兵達は清美の兄には何か秘密があると睨み、清美を拷問する。口を割らない彼女に憲兵は非常にリアルな死の幻覚を見せる精神毒を注射する。毒の幻覚の中で、非常にグロテスクで残虐な死を迎える清美。それでも口を割らない清美に対し、憲兵は精神破壊の可能性を知りながらもう一度精神毒を注射する。再び自分が死ぬリアルな悪夢を見た清美は、毒の効果が覚めた時自分が記憶と感情を失ったことに気づく。
これ以上の尋問は無意味だと家に返された清美は、兄が戻ってきたら憲兵に伝えるようにと命令される。ぼんやりと生きる彼女のところに、祐二がやってくる。彼に暴行された清美は、その嫌悪感から失った記憶と感情を取り戻し、祐二を射殺する。祐二の死体を処分しながら詳細な記憶を取り戻す清美。彼女は兄と肉体関係があったのだ。清美は兄を愛していたが、兄は妹に恋愛感情を持ってはいなかった。別の女と結婚し、清美を捨てて家を出ようとした兄が許せず、許嫁の女とともに清美が殺して防空壕に死体を遺棄していたのだ。異変に気付き、憲兵達が駆けつけてくる…

 

井戸に投げ込まれた雷太だが、重傷を負ってはいたがまだ生きていた。後のジッ太ズッ太を探しに来たモモタはそれに気付き、雷太を井戸から引き上げる。弟の血の匂いがする雷太が何かを知っているのではと疑うモモ太だが、雷太は瀕死の重傷を負って脳の一部を失った為自分の名前すら思い出せない。森の精霊キチタロウに相談すると、村の子供の脳を欠けた脳に補えば記憶が戻るという。憲兵が怖くて村に行くことを渋るモモ太にキチタロウはベガやんから銃を奪えという。
毒猫という生き物から毒を取り出してベガやんを殺そうとするが、気づかれて失敗するが、雷太の機転でベガやんを殺して銃を手に入れる。気が大きくなったモモ太は清美のところに行くが、清美は見つからず憲兵と鉢合わせする。憲兵と戦い勝利するモモ太。村を彷徨ううちに祐二の葬式に行きあう。そこで押し問答のうち利一を殺して首を持ち帰る。
キチタロウに利一の脳を足してもらい、雷太は記憶を取り戻す。そしてモモ太も弟達の死体を見つけ、雷太が弟を殺したことに気づく。二人の友情は終了し、お互いを殺そうと戦い始める。

↑粗筋終了(白文字)↑

デザインのデパート 東京TDC賞2019 GGG 4/8

GGGだよ。

www.dnp.co.jp

今回はコンペの受賞作を展示とかでバラエティが豊かでよかった。作家本人が描いたコメントの載ったパンフもくれてお得な感じ。

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伊東友子+時里充「めくる映像」

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インスタレーション作品。
ほんの左ページに「このページをどうめくるべきか」という指示がある。
例えば、「右上を持ってめくる」とか。そうしてめくった裏、右ページには「右上を持ってめくりました」とある。
指示とその結果を延々写しだす作品。単純だけど面白い。

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萱沼 大喜 「無題」
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読めない。読めないようでいてちょっとだけ読めて、やっぱり読めない。
「形の個展」とあるね。どぎつくて毒々しくて、自分が見ているものが正しいのかちょっと不安になる。きさらぎ駅みたいな作品。

言ってしまえば未完成である。ポスターには情報伝達の機能があるから、読めなくてはその機能をなさない。だがこのポスターはその伝達を放棄したのだ。たとえば蛹が蝶になる瞬間の標本だ。それは決して綺麗ではない、或いは鮮烈なイメージを見たものに抱かせるのだ。

 おもしろーい。

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岩井 悠 「ひです」
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キリシタン版「ひですの経」の古活字をデジタルフォントとして復刻したもの。
縦書きを前提に、続け字に対応したフォント。
面白いしよくできたなぁって思うけど、これを江戸時代には木版で作成していたんだよね。それもまたすごいことだな。

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太刀川 英輔 「無題」
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東洋のサクラダファミリア、横浜駅じゃん。
サクラダファミリアの方が完成のめどが立ったから、工事期間がついに世界一になりそうな横浜駅じゃん。こんなことになってたんだね。

面積のためにあらゆることへ謝らせる不寛容な時代へのアンチテーゼ。

 あ、アンチテーゼなんだ…普通に掲示かと思った。
しかし一番下みたいに正面から見ると全くなんにも読むことができなくて、いっそ傲岸不遜な感じがしてくるから面白い。「はーいはいはい、どうもすいませんっしたねwww」って感じ。

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Theseus Chan「BETON BRUT」
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非常に濃いインクを使って幾層ものページを印刷する実験。
両側を結び、本を痛めることなく640頁を印刷することは不可能である。こうしてほんとは何かを問う

とある。
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640頁分の文章がここに記されているみたいな書きぶりだけど、どうなんだろうねぇ。近くで見てもフラットでよくわからない。まぁうっすらフォントが見えなくもない、かな?
打ち剥がしのコンクリのような相手を突き放す力強さがある。

 

他にもポスターとかインスタレーションとかたくさんあって面白かった。PCが2台あって、一台に「あなたのなまえは?」と何かを入力させるソフトが起動されていたんだけど、マウスが全く反応しなくて詳細不明だった。あれ、なんだったんだろうな。

【感想文】粘膜人間

書籍データ

  • タイトル:粘膜人間
  • 作者:飴村 行
  • お勧め度:★★★★

 

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横暴な義理弟を殺そうと、少年達は河童の力を借りて死闘を繰り広げる。
兵役逃れの兄の秘密を抱えた妹は、憲兵隊からおぞましい拷問を受ける。
死の淵を彷徨った少年は記憶をなくし、人外の境をさまよう。
おどろおどろしい世界でそれぞれが無くし、見つける真実は如何に。

 

面白かった。でもダメな人はダメだと思う。

何が面白かったかというと、ストーリーというより執拗な描写によって生まれるドギツイ世界観だ。逆を言えば「ここ、本筋と関係ないよね?」という部分が長いとも言えるし、単純に暴力描写がひたすら続くので、無理な人は無理だろう。ゴアかな?まぁ、定義的にはゴアだろう、うん。あんまり痛そうじゃないけど。
確かに暴力猟奇表現ではあるんだけど、なんかこう怖くないんだな。登場人物達がイマイチ間抜けなせいか、カッパが出てくるくらいでファンタジーが強いのか。描写は細かいけど現実味がない。総天然色怪奇映画って感じ。
もっと静かなリアリティの方が怖いです。ケッチャムとか。痛みの描写で一番ヒェッてなったのは、スティーブン・キングの「ジェラルドのゲーム」で手錠から抜け出すところかな。この本みたいなどぎつさはないけどその分恐ろしさが強い。普通に本読む人なら平気かなぁと思うけど、自分のグロ耐性がどの程度なのかはわかんないや。

 

ストーリーは三部構成。利一という少年、同じ村に住む非国民の妹として村八分になっている少女、利一の義理の弟と主人公を変えて話が進んでゆく。一部と三部は話が繋がっていて、第二部は物語は繋がってるけど挿話のような話。前後の繋がりは弱め。

それぞれのパートの終わり方は幕を切り落としたかのようなぶった切りかたなので、それからどうなるのかなぁと気になる。余韻があって良い。

 

この本の良さはストーリーラインもだけどその世界観だから、読まないと伝わらないとこ多いと思うよ。

 

宇宙人の行進 ピーター・ハーモン展  4/6

色絵、しかも黄色と青緑の中国風陶器はトラウマでもあるのかな?てくらいゾッとするほど嫌いなんだけど、白磁青磁は好きなのさ。

と言うわけで、柿傳ギャラリーに行ってきたよ。

ピーター ハーモン 陶展 Peter Hamann Ceramics Exhibition | 柿傳ギャラリー

ピーター・ハーモンさんはアメリカ生まれ日本在住40年の陶芸家。

シュッとしたデザイン性の高い作品が特徴的。

各種香炉

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可愛い…宇宙人がモデル立ちしておる…
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こうだと思う。可愛い。可愛さが強い。
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上から見るとこんな。
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バリエーションも豊かで欲しくなる。

 

彫刻白磁刻文壺
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シンプルな形の大きな花瓶に、ヘラでさっと流紋を削り取っている。スタイリッシュ。

 

各種ぐい飲み
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ぐい飲みがいっぱいあって可愛い。
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一個2万くらい。4個くらいお茶用に欲しいよぅと京都人に言ってみたけど、高すぎると却下された。数揃えるとどうしてもね…

 

各種酒注ぎ
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お揃いの徳利も素晴らしく可愛い。

キリがないけどこう言うのほんと欲しいなぁ。

めっちゃ良かった。

【粗筋】藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編 3

書籍データ

収録タイトル

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↓粗筋開始(白文字)↓

ぼくの悪行

ごく普通のサラリーマン。身に覚えのない約束を確認されたり、言った覚えのない場所で目撃されたりし始める。そんなとき自分にそっくりな男が街を歩いているのに気づいて後をつけ、パラレルワールドの入り口を見つける。パラレルワールドの自分が、こちらの世界で好き放題していたのだ。自分も向こうの世界で好き放題し始めるサラリーマンだが、お互いどんどんエスカレートしていく。同僚に痴漢したり上司を殴ったりする相手に腹を立て、自分も相手の世界で好きにしようとするも、いまいち悪さをしきれない。。パラレルワールドでカフェの店員とデートした後自分の世界に戻ろうとすると、もう1人の自分が部長に暴行を働いているところだった。しかしその瞬間、パラレルワールドの入り口が消滅し、元の世界に戻れなくなってしまう。自分の世界に取り残された相手は大変だろうなと思いつつ、パラレルワールドでそのまま生きていくことにする。

メフィスト惨歌

彼女にフラれた男のもとに、悪魔が現れる。魂と引き換えに願いを叶えてやるという悪魔に、とりあえずお試しで3万だけくれと頼んでみる。悪魔が指示するままに屋台を利用すると、千人目の客だからと現金をプレゼントされる。悪魔の力だ。翌日再び現れた悪魔と男は契約をすることにする。ただし契約書はきちんと交わしてくれといい、「現金三千万円先払い」「死亡の時点で魂を譲る」と詳細を詰め始める。「死亡」の定義について揉めるが、「男のあらゆる細胞の最後の一個が死亡したとき」とし、オマケにフラれた彼女を希望する。彼女の費用については悪魔が自腹を切ることにして契約は成立。男はマンションを購入し、戻ってきた彼女と結ばれ、幸せに暮らす。 一方悪魔は魔王に詰められていた。安いと思っていた彼女の費用が意外とかさんで給料が天引きとなるだけでなく、オトコがアイバンクに登録していたため、「男が死んでも角膜は他人に移植されて生き続け、代謝により入れ替わる。最後の一細胞が死亡することを確認することは不可能」と指摘される。 地獄の底で悪魔は男を悪魔と罵るが、多少の男には知ったことではない。

神さまごっこ

会社員の男。ある夜男は「人を支配できる立場に立ってみたい」と独り言を言う。すると突然神様が現れて、その願いを叶えようという。信仰心の薄い人ばかりで力が弱ったという神様は、信じてくれる最後の一人が死んだら自分も消えるのだという。そして自分の失敗を繰り返さないようにと新しい空間と神の力を授ける。 そこで世界を創造した男は日曜大工のように世界の創造を楽しむが、人間が思うように動かないので興味を失ってしまう。世界をほったらかしていたら男は自分の世界の人間が神を信じないのに気づく。奇跡を起こしてなんとかしようとするが失敗し、ついに神の存在は忘れられてしまう。そうすると男も消えてしまうのだ。

あいつのタイムマシン

タイムマシンを作ろうと苦心する男と、その友人の漫画家。漫画家は男に諦めて就職するよう説得するがうまくいかない。男のいとこ、漫画家の妻は男を心配している。もしかしたら漫画家ではなくいとこの男と結婚していた未来もありえたかもしれないと妻は言う。仕事がうまくいかない漫画家がある夜男を尋ねると、男はタイムマシンの理論を未来の自分に教えてもらうんだと精神集中していた。念じるままでうまくいくものかと漫画家は言うが、男は未来の自分が来ていると叫んで外に飛び出していく。呆れた漫画家は「一人で住んでいる」家に帰り、「いとこと結婚した」男を羨む。

いけにえ

一昨年から地球には宇宙船が来ていたが、人類の努力にもかかわらず宇宙人とはなんのコンタクトも取れずにいた。浪人生の男は彼女とデートしていたが、帰り道に何者かに誘拐されそうになる。なんとか家に帰る浪人生だが、自宅に侵入していた新聞記者に、宇宙人が自分を生贄に求めていると告げられた。人権意識の高い記者は浪人生を匿って山に篭らせるが、政府によって殺されてしまう。政府に説得されるが生贄になることを拒む浪人生。しかし彼女を監禁場所に連れてこられ、彼女を守るために生贄になることを決意する。しかし引き渡し当日、浪人生と彼女は突然解放される。宇宙人の要求が、浪人生を志望大学に入れろと言うものに変わったのだ。しかし理由はさっぱりわからない。

超兵器ガ壱號

第二次世界大戦末期、通訳の男はある島に呼び出され、そこに捕らえられていた巨人の宇宙人との通訳を命じられる。もとは地球から宇宙に移住したと言うその言葉は案外早く判明し、巨人は日本軍の兵器として戦い、大きな成果を挙げる。その甲斐あって戦争に日本は勝利するが、すると巨人は邪魔者になる。宇宙船を直して帰ってもらおうとするも、日本に帰化したいと拒否する巨人。ならばと服毒死を迫られ、巨人はそれを了承する。 そこに新たな宇宙船が巨人を迎えに来る。実は故郷ではチビと馬鹿にされていたが日本だと巨人扱いされて嬉しくて帰りたくなかっただけなのだ。迎えに来た宇宙人にチビと呼ばれ、巨人は悲しい顔をする。

テレパ椎

売れないイラストレーターの男。金はないが友人には恵まれている。ある日突然に弟が彼女と駆け落ちしてくる。そんなとき道端で椎の実を拾う。しばしのち、その椎の実を持っているとテレパシーで周りの考えていることが分かることに気づく。そのまま仕事の打ち合わせに行くと、編集者が自分の仕事を全く評価していないこと、愛想のいい友人が自分を邪険にしていることを知ってしまう。 椎の実を捨てようとする男だが、弟達を部屋から追い出すためにもう一つテレパシーの実を見つけ、弟と彼女にこっそり持たせる。お互い都合のいいことしか考えてなかったことを知って喧嘩別れして出ていく二人。男は改めてテレパシーの実を捨てるが、世界はもう以前とは違って見える。

旅人還る

宇宙の果てを見るための片道旅行に出た宇宙飛行士の男。彼はそのために自分の生活を捨て、彼女と別れ、コールドスリープをしてひたすら遠くに進んでゆく。ウラシマ効果でたいして年はとらないが、地球の時間はどんどん進んで行き、ついに地球は消滅してしまう。それでも先に進む彼は、膨張を続ける宇宙が予想外に収縮に入ったことを知り、宇宙が無に帰るのではないかと予測する。そして最後のコールドスリープな入ってその時に備える。しかし何故か男は目覚める。そして目の前には地球がある。宇宙が終焉を迎えた瞬間ビッグバンが起こり、また全く同じ地球が再生されたのだ。着陸した日はまさに自分が宇宙へと旅立った日。男の目の前には別れた時のままの彼女が現れる。

白亜荘二泊三日

未来。妻と子に夏休みの旅行を迫られた男は白亜紀へのタイムトラベル旅行を予約する。恐竜を見たりして白亜紀を楽しむ一家。古代生物に触ってはいけないと言われたのを無視し、子供はこっそりネズミを捕まえて原子レンジに閉じ込めて、放射能を浴びさせてしまう。ネズミはなんとかレンジから逃げ出し、男はあれが哺乳類の先祖かもしれないと言う。

福来たる

世知辛い生活を送る男の元に福の神がくる。100年ぶりに人間と話したと言う神は男に福を与えようとするが、100年前の生活とのギャップにビックリする。豊かに水が出る水道、あっさり捨てられる残飯、子供の小遣いに十万銭=千円。もう十分豊かではないかと言う神に男は「涙が出るほどの幸福感が欲しい」と言う。福の神は男を100年前の世界に連れて行き、食うや食わずの生活を送らせる。適当に現代に戻せば幸福を感じるだろうと言う目論見だが、それもいつまで続くことか  

求む!求める人

百科事典の飛び込み営業をしている男、全く営業成績が振るわず一つもあることができない。有能営業の同僚に、相手にニーズがあるかが鍵だと言う。そんな駄目男の家に不思議なセールスマンが現れる。セールスマンは需要を測るセンサーを売りつける。それを使って見事に百科事典の販売に成功した男。そろそろ嫁さんが欲しいと、自分自身に対するニーズのある女性を探して声をかける。

倍速

力はあるがとにかく鈍い男。ある時不思議な老人に壊れているがと時間を操る時計を譲られる。修理に成功した男は普段から自分だけ速度を上げていきてゆく。仕事を素早く済ませて有能となる男。不良に絡まれた後輩女子を助けた男は彼女と首尾よく結婚する。しかし初夜、彼女に「早いのね」と言われてしまう

侵略者

男子高校生の体の中に、宇宙人が侵入してくる。とても知能の高い宇宙人は高校生の体を支配して地球を政略しようとする。人間に寄生したまま繁殖しようとするが、人間の繁殖スピードが非常に遅いことに気づき、体を操ってガールフレンドを襲おうとする。なんとか宇宙人を抑えた高校生は、ペットの亀を見つめる。亀は万年という言葉を聞いた宇宙人は、高校生から飛び出して亀に寄生して脱走していく。

マイホーム

人口増加で過密社会となった未来。ある一家は不動産セールスマンの話を聞き過去、石炭紀に家を建ててタイムマシンで通勤しようかと計画する。とりあえず現地視察をしようと石炭紀に行く一家。営業に連れられてさらに過去の土地を買おうとする。親が契約を確認する間、子供達は勝手にタイムマシンを操り家を建てた一年後を見ようとする。なんと一年後の自宅建設地は火山の噴火で溶岩に埋め尽くされていた。実は悪徳不動産だった営業を間一髪子供を助けたタイムパトロールが逮捕する。

マイシェルター

マイホームを夢見る男。飲み屋で不思議なセールスマンに会う。セールスマンは家を建てても核戦争が来たら助からないと、シェルターの営業を始める。核戦争の不安を感じた男は食料の節約をしたり狭いシェルターで暮らす訓練をしたりするが、家族は真面目に取り合わない…と思ったら夢だった。変な夢を見たと再度眠る男。シェルターを買った後、本当に核戦争が起きてしまう。自分の家族は無事だが、シェルターの外で親戚や友人が助けを求める声がする。シェルターを開けられないように彼らを爆弾で攻撃しようとするが、どうしても爆破ボタンを押せない…と言う夢を見る。塾講の結果、男はシェルターは結局買わない方にする。 不思議なセールスマンはその夢をモニターしている。宇宙人だった彼は、もし地球に核戦争が起きたら人格的に優良なその一家を優先的に助けることにする。

裏町裏通り名画座

うらびれた町の映画館に行った男。ロードショーが始まったばかりの超名作が格安二本立てで上映されているのを見つけ、喜んで中に入る。しかし内容はめちゃくちゃだった。タイトルだけ似せた駄目映画だったのだ。裏通りの映画館にお金を騙し取られた恨めしい、と言う話

有名人販売株式会社

浪人生の男のところに、突然届いた箱の中には人気アイドルが入っていた。彼女を家に泊めたが、翌朝にはいなくなっている。友人は有名人のクローンを売る裏企業の噂を聞かせる。アイドルは本人のコピーで手違いで男のところに来たのだ。刷り込みで男を好きになったクローンは会社から逃げてくる。逃避行する男とクローンだが、逃亡先で本物のアイドルが失踪し、裏企業が摘発されたことを知る。失踪したアイドルを追いかけたプロデューサー会社はアイドルが自殺したこと、そしてそのクローンが男の元にあることを知る。クローンは男の元から姿を消し、本物のアイドルの代わりにテレビに出て生活をする。いなくなったクローンを長く男は、テレビから恋人は浪人生の男だと言うクローンの声を聞く。


↑粗筋終了(白文字)↑