人の金で美術館に行きたい+読

美術館に行った話とか猫の話とかします。美術館に呼んでほしい。あと濫読の記録。




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もじもじ 西郷隆盛と幕末維新 遺墨展 1/31

新宿小田急百貨店に行ったら謎の展示をやっていた。

www.odakyu-dept.co.jp

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展示って言うか即売会だね。
右下のとか、幕末に原稿用紙あるんだ???ってびっくりした。
誰のかは忘れました★

 

正直、書の見方はわからない(というか書道の時間がトラウマすぎて墨書に対する拒否感がひどい)のだけれど、単純にナンボするん?という好奇心だけで見に行った。
あまりうまくない人も多く、書のレベルというよりは書いた人についた値段だなぁと当然の感想を抱いた。

ちなみにですが、西郷隆盛は432万円でした。
だからどうってことはないですね。うん。

シャープなのが好き 白いうつわ十人一色展 1/31

急用が差し込んで半休をとった結果、始業まで微妙に時間が余ったので行ってきた。1月31日。

 


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www.kakiden.com

柿傳は新宿東口、ルミネエストのすぐ隣にある京懐石料理のビルだ。ぶっちゃけ超高級料亭なので、ここで食事をしたことはない。
けれどこの地下2階にあるギャラリーには割とよく行く。
なぜなら無料だし、駅激近なのでこういう風に時間が微妙に余った時に便利だからだ。

料亭だからいつも和食器や茶道具、華道の道具なんかを展示していて正直守備範囲がいでわかんないことの方が多いのだが、異文化を見るというのはなかなかに楽しいものだと思う。

地下で写真を撮っていいかは知らないが、1階のショーウィンドウにこうして飾られているもの街の雑踏を背景に見るとなかなかシュールで楽しい。

白色に統一したというコンセプトでも様々な白色が個性を出しているし、個人的に陶磁器はシンプルなほうが好きなのでうれしい。

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新里明士 「光椀」

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蛍焼き、とはあまり言わないのかな。蛍手は好きです。

透かし彫りと蛍手の技法

こうして幾何学的に光を並べるとモダンな感じがしてとてもいい。
けれど地下にあったみたいに透かしの部分が全体を埋め尽くすほどに増えてしまうと面白みが減るので、どこにどの程度出すかというのはセンスだと思う。

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高橋奈己 「白磁盃」

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ピンボケになってしまった……公式サイトで見て欲しい。

こういうシャープなの好きです。この人は何度か柿傳で見たことがある気がする。

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丹羽シゲユキ 白磁削手1,000刻片口「あふれるふるる」

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チューリップの花のようなシャープなうつわ。装飾過剰かどうか微妙なライン。個人的にはちょっとケバイなぁと思う。

どこからお茶を飲めというのだろうかw

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徳丸鏡子「白磁茶碗」

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何度も液体を重ねたような、炎が燃え上がるような、メロンの一種のような茶碗。
液体を重ねた、といいつつ切り口はとてもシャープ。
上のもだけれど、茶道具は緩やかな曲線を描くものが多いから新しいなと思う。

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温かい印象のものも多かったけれど、すっきりした作品の方が好みです。
ナチュラルな感じというか、暖色が和食器のうつわには多いから、なかなか新しいん総があってよかったと思う。

 

お役立ち情報として、この柿傳は食事レストランはもちろんお高くて行けやしないのだけれど、喫茶はくずきり千円で頂けるらしい。
そのうち潜入してみようと思う。

漆芸の現在形

 

目当てのギャラリーが定休日だったのでしょぼしょぼと帰る途中に銀座和光の前を通ったら、こんな展示のポスターが貼ってあって。

青木宏憧さん!すき!!!と思って行ってきた。

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漆芸の現在形 | 展覧会のご案内 / 和光ホール | 銀座・和光

美術展ではなく、展示即売会です。平日だっていうのに結構客もいたし、作者の方が来ていたりもした。

内容はこんなモダンな作品から伝統的な食器類、漆絵やオブジェまで幅広かった。

松崎森平 「檸檬

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と、東京芸大展でお見かけしました!!!

膨大すぎる苦悩もあるらしい 藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた! - 人の金で美術館に行きたい

あ、これは作者さん個人のパンフレット写真。実物はなかったと思う。
吉野 貴将 「森 ~cosmos~」

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実際に来ていたのは、さまざまな動物がまるでファンタジーゲームのような不思議な衣装を見つけたオブジェでした。漆芸って塑像?彫像?わかんないけど。

 

一番好きなのは、青木宏憧さんです。

東京都美術館でお見かけしました!その時からファンです!すき!だいすき!!

いっぱいに膨らんでパリンと割れる #芸術 by みなぎ | エッセイ投稿サービスShortNote(ショートノート)

青木宏憧 守箱「かぶとむし」

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「浮上」も来ていました。250万くらいでした…守箱がいっぱい来ていて、大きいのから小さいのからとっても素敵でした。
守箱「攻」ってのが好きで、大きさも手ごろですごく欲しいなと思ったけど150万くらいでした。クラゲを模した守箱は75万くらいで、これくらいなら手が出るのでは?と思ったんだけど。

 

帰宅した京都人に話したら、

「知り合いのすごく理性的な大人しい人が、ある日ヒロ・ヤマガタの絵を見て『これは自分のための絵だ』と思って衝動買いして、ずっと大切にしているそうだ。それくらい気に入ったなら買ってもいいんじゃない?」

って言われて。

ああ、その感覚わかるなぁと思って。
私、大学生の頃町の宝石屋さんでトパーズのルースに魅せられてしまったことがあって。それまで宝石なんか1つも持っていなかったし、今だってまともな宝飾品なんてろくに持っていないのに、どうしても欲しくて夏のバイト代7万をはたいて手に入れたことがあって。
そういう感覚ではないなぁって。
150万のが変えないから75万って、そういう程度の欲しさでしかないんだなぁって。
いつか本物を手にすることがあるかもしれないけれど、それはいまではないなぁと思いました。
そういう意味で言うと、昔見たサイモン・ブリーンさんっていう無名(失礼)画家の絵は買っておくべきだったなぁ。

 

でも、そんなに欲しいなら僕が買ってあげるよって言う足長おじさんは常に募集しています。
今ならまだ売っています。ぜひに。ぜひともに。

人生はあまりに短い 平野甲賀と晶文社展 1/29

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仕事が代休なので銀座に来たんだけど、資生堂ギャラリー資生堂パーラーも休みなので悲しみにくれている。

この手の失敗はよくやるので辛い。でも、まさか喫茶店が休みとは思わないじゃないかちくしょー。

 

というわけで、GGGに行って来た。

平野甲賀晶文社展。

www.dnp.co.jp

この出版社の出す本のほぼ全ての表紙をこの人が作成していたと聞いて凄いなぁと思う。

けどねぇ、読んだことある本なかったw「考える練習をしよう」くらいかな。パラ見した程度。

普及版 考える練習をしよう

本当に、もう少し和書読もうかなと思ったよね……でも面白い翻訳文学読んでるだけで手一杯だよね。

 

作品展の感想は、特にないです。(酷い

 

揺らぎ 渋谷芸術祭2017 1/14

1月14日、文化村に行ったけどギャラリーはなんか設営調整中?梯子持ち込んでごそごそやってるのと即売会だったのでいまいちちゃんと見れず。
美術展は見てないです。
というわけで、なんか片隅でやってた渋谷芸術祭2017が面白かったので見た。写真撮っていいか悪いか書いてなかったから、怒られたら消す。

www.bunkamura.co.jp

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山本 しほり「Bloom(2017年9月11日/Rest in Peace)」

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一番きれいだなと思った。総局制渉外をもつという作者が周囲からの理解不足等による苦しみの中で自分らしさを表現するための手段ということです。
第二の草間弥生になりたいみたいな解説があって、綺麗だし頑張るのはいいけど最初から二匹目のドジョウを狙うのはちょっと違うかなって思う。芸術のためのアートじゃなくて啓蒙のためのアートなら他の方法も併用したほうがいい。

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藤原 悠里「Woman‘s face」

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3000年前の中国の西周時代の金文で描かれた古典、『コツ〔勿カシラ+曰〕鼎』から取った文字から描かれているという説明つき。
その古典ってなんだろう?って調べたら、このサイトさんによると奴隷売買に関するものだとか???

書道史 中国書道文化史(2)

それを踏まえての絵画なのかはちょっと気になるところだし、文章として成立しているのかも気になる。

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近藤 南「ゆめか うつつか まぼろしか」f:id:minnagi:20180117140402j:image

このテープ状のが気に入って写真撮ったけど、公式サイトを見ると3つひと組の作品だったようですね。わかんなかったよ……なんか展示がね、作品の右側にコソっとまとめて作者名やコメントが掲示されていて、正直どれがどれの解説なのかわからないくらいだったよ。

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そういうものってあるよなぁと考え込んでしまう文章。センスある。
こういう意識の揺らぎみたいなの好き。自分の外側と内側の境目が不安定になる感じ、視界の端をかすめるもの、見てしまったことでうまれるもの。
象牙のような乾いたダークファンタジーだな。

はてしない物語 NEWoMan ART wall 1/11

高島屋から新宿駅に戻る途中で発見。1月11日。

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藤井マリー「パーリングじゃ殺せない」

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パーリングってなんじゃ?て思ったら、「グローブをまっすぐ前方に向かって突き出し,相手の急所を打つ基本のパンチ。」のことだそうで。パンチか。

一枚ペラのイラストを縦横繋いで行くことで大きな絵画を組みあげています。海の中か草原のようなところでたくさんの人が様々なことをしている、不思議な絵です。

この辺が好き。

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なんとなく不安を誘う光景。

部分的に取り替えることでいつまでも拡張し続けることができると言うけれど、まわりときっちり合わせるのは大変だろうね。

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パノラマで撮ってみた。好きです。

本気で言っているのかおまえは ぼくらが日本を継いでいく 1/11

高島屋でやっている展示のポスターがきれいだったし無料だっていうから前から気になっていて、近くを通ったので寄ってみた。1月11日。

www.takashimaya.co.jp

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結論として、ひでぇ。クオリティのばらつきがひでぇし、て言うか一部を除いたクオリティの低さがひでぇし、そもそものコンセプトがひでぇ。

初音ミクのCrypton、リラックマのSan-X、そして手塚プロダクションが自社キャラクターと日本古典芸術の組み合わせを行った展示。

初音ミクのクオリティはよかった。

Dollfie Dream「初音ミク

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ドルフィ・ドリームというボークス社から出てくる人形のカスタム。かわいい。
きもののがらは 若冲の絵画から撮ったとのことだがなかなか良くできている。ミシン縫いっぽいけどそんくらいいいと思う。

 

初音ミク×桜に小禽」

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先ほどの着物を身にまとった初音ミク。色合いもきれいだし元絵とうまく組み合わさっている。
落款風のサインもきれいだ。

うん、初音ミクは無罪。

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San-Xは微妙。まぁ元絵をうまく選んでキャラクターとそれほど違和感ないようにはしているが、そもそも日本画に慣れていないのだろう、塗り方が厚すぎて絵の具がぽろっととれてしまわないかな?って感じ。

リラックマ・軒端の梅」

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これは撮影不可作品だったので会場外のポスターから。
印刷物を撮影するとうまいこと粗が隠れるなと思った。
横に元の絵の模写などが飾られているのだが、並べると酷い劣化だと思う。

参考→高島屋のお歳暮ポスターは「軒端の梅」 | Winds!芸艸堂 店長ブログ

すっと抜ける枝がぐねぐねぼてぼてしている。

けれどまぁ無理に模写せず、リラックマに合わせた絵柄でグッツ展開とかするならありかなぁと思う。
模写レベル、日本画技術がひどいのであって、和風との親和性はある。

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手塚プロダクション、酷い。本当に公式で出していいの?って感じにひどい。

ブラックジャック×富士烏」
「ユニコ×楓紅葉」

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 参考→Art-Precis | 作品紹介 - 神坂雪佳 / 楓紅葉図

富士烏の方、以外と模写は上手い(参考ページ見つけられず)

紅葉楓、模写以前の問題として、ユニコがまじでクソ下手。人間キャラはまあまあ描けているが、動物キャラが本当にひどい。まじでかわいくない。ほかにもレオとかいたけど、そもそも似ていない。
公式絵でこれかよ…ユニコの妙なコケティッシュさとかカケラもねぇな…

マジでびっくりした。これが公式絵?というクオリティにびっくりした。

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ていうかね。

これを現代アートとしてやるならいいのよ。まだいいのよ。
でもさぁ。過去作の模写をしてただキャラクター絵貼り付けて、それで「日本画を継ぎます」って言っちゃだめでしょ。元絵との調和すら考えてない、ただちょっとずらして空いた隙間に描きこんだだけで、本当に胸を張って発表できるの?これが。
「継いでいく」というクオリティじゃないでしょ。
日本画を継ぐってことは、既存の日本画の模写を作ることじゃないでしょ。画風を受け継いで内容を消化して、新しい日本画を作り出すことでしょう。
現代日本画の画家さんはそれをやっているでしょぅ。
それを無視して「継いでいきます」とかこの程度の頭でやっちゃダメでしょう。
他のとかもっとひどかったからね?

 

手塚治虫、すきなんだよね。本当に好きなんだよ。特に間久部緑郎(いなくてよかったよ)がさぁ。だから割とまじめに悲しい。
高島屋の広いスペース使ってさ、グッツいっぱい作ってさ、そういうレベルの作品じゃないだろうよこれ。
無料じゃなきゃ本当に怒っているレベル。