日記
昨日やっと文化村の図録を回収したけれど、今日は1人でお出かけするので猫を見なよ。
相変わらずドアに挟まるのが好きだよ。
昨日はダリアを見たのだけれど、大輪のダリアは牡丹みたいだね。こうして崩れかけた花は特にそうだ。日本画の華やかなやつを連想する。
キク科の植物というと、新宿御苑がすごい。あそこは秋になるといつも菊の展示をするんだけれど、それが品種改良技術の粋を極めたトンデモで、情熱の方向性が違うだけでこんなに変化しちゃうのか、という感じである。
一本の菊から何百もの花を咲かせてみたり、茎で自重を支えられないほど大きな花を咲かせたり、花びらが細長すぎて支えをつけないと萼から落ちてしまうほどだったり。果ては逆に短く細く地味な色の花びらを数枚つけるだけのものを侘び寂びと称したり。
実に面白いから過去の展示を見てみるといいよ。
http://fng.or.jp/shinjuku/event/kiku/kikukadan.html
東洋の方って絵画芸術でも豪奢の極みみたいなのと、シンプル過ぎてなんだかわかんない侘び寂びがあるよなぁって考えていた。
西洋の方だと派手さばかりになりがちだな。でもイギリスってワイルドローズとか自然のままな花も好きだから、そういう方向もあるのかなって。
ちょっと漁って見ても面白いかもしれないな。
というわけで、お出かけ行ってきます。
魔法使いの倉庫 ナチュラル・ヒストリエ
厨二魂を持つ人が押さえておくべきスポット。それは池袋西武書籍館のナチュラル・ヒストリエ。
ikebukuro.books-sanseido.co.jp
何だろ、本屋さんじゃなくて博物とアートのグッツ売り場。
鉱物標本やアンティーク、自然科学をテーマにした小さなアートグッツが売られている。
18世紀の祈祷書とか読めるわけもないのにほしくなるし、本物のアンティークの標本や数百年前の古書の切れ端など、ちょっとがんばれが手が届く値段でおいてあるのがたちが悪い。
私、いつかここでタンポポ綿毛のアクリルキューブ買うんだちくしょぅ。
今は、古い挿絵本と版画の世界という特集をやっています。
Salon du Livre Ancien-古い挿絵本と版画の世界- | 三省堂書店池袋本店特設サイト
入り口にまず希少本が展示してあって、またそれがアリスだったりするからテンションがあがる。The Nursery Alice、子供部屋のアリスの初版本が16万だってよ。買えなくもないところが恐ろしい。
手袋がおいてあって、店員に言えば中見せてくれるって言うけれど、買えないのに申し訳なくて声かけられないよ……
他にもビアズリー、アーサー・ラッカム、ロナルド・バルフォア、ハリー・クラークといった「この絵見たことある!」って著名作家の版画、本の挿絵が大体15,000円位で売っています。
もう買っちゃおうかね……かって自分で額装しちゃおうかね……
理性。
ついでだから、以前ここで買ったお気に入りの鉱物標本を見せよう。
見てのとおり、どこでも売ってるあの定番の標本なんだけどね。
この黒曜石の切片の薄さや、方解石のゼリーみたいなさわやかな色たまらないだろう。
どれも一点ものだから、値段や質じゃなくて気に入ったものは確保したほうがいいんだ。安いし。
こっちはデザートローズ、結構大きいんだよ。
丸く白い線が浮き上がるものと、こうやって立体的になるの、2種類ある。
チラシにも映ってる義眼も持ってて、ここに写真載せようかと思ったんだけど、人を選ぶからやめておく。
本物のアンティークだぜ!ものすごくリアルで美しいぜ!
実物を見たければ池袋に行くといい。だいぶ売れて在庫が減ってるから、買うならお早めにだ。
君たちは腐ったみかんじゃない 渋谷西武
渋谷で時間が余ったので、渋谷西武デパートに行ってみた。
コカコーラ展示とかもやってたけど、なんかすでに撤収してたから見れなかった。
かわりに見たのがこちら。スペース小さかったけど。
西武公式サイトは多分またリンク切れになるから貼らない。
このオルタナイティブスペースってのは本当に狭いところで、作品数も少ない。なんかのついでに行くのはいいけど、このために行くのは厳しいサイズ。
今回の作品はすごく良かったよ。
久米圭子 website 公式サイト
緩やかな曲線の中に激しいトゲトゲが含まれている。みかんの中にウニがいるみたいな。透明標本みたいに葉脈を取り出したかのような。
優雅な表面の中に隠された激しい悪意を見せられた気分。隠された激情の二面性。
いや、悪意は言い過ぎか。でも色が色だからなんかそんな感じがして。アオカビ色なんだもんw
果物の皮を剥いたらこんな姿が現れたら、ホラー映画のようだなとか想像してしまう。
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津守 秀憲 - Webギャラリー / Web Gallery|富山ガラス造形研究所 公式無いから所属団体サイト
これ、どうやって作るんだろうなぁ。
外側はまるでアスファルトのような質感だけれど、内側は瓜の実を割ったかのようだ。
円筒形の物質を力任せにこじ開けて、裂けてしまったみたい。
この繊維質の部分を触ったらどんな感じなんだろうね。
でもこういうの見ると、掃除どうしたらいいんだろうって考えちゃう。
埃たまったら大変だよな。最初からガラスケースに入れなきゃだろうな。はたき程度で落とせる気がしないもの。
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松村淳さんは公式サイトがない!
松村淳 陶芸 - Google 検索 画像検索
写真で見ると良くわかんないけれど、実際には結構高さのある立体物。
象牙のような色と質感で、ファンタジー世界の生き物の頭蓋骨みたい。
画像検索するといろいろ作品が出てきてよいですね。私、こういうシャープな白い陶器好きなんです。
30日まで。西武に用がある方はついでにどうぞ。
お写真撮りに渋谷まで セルゲイ・ポルーニン写真展
さて、カメラを手に入れて早速撮影でもしたいものだわ!と近くのドトールで充電したのはいいんだけれど。
最初はどこかの常設展でも撮影しようと思っていたのだけれど、ビッカメのおじさんに初期設定してもらったりしてたら結構な時間になってしまい、どこかに出かけるって感じじゃなくなってしまった。
じゃあどこに行こうかなと検索して見つけたのがこちら。
ちょうど最終日だったけれど、混みすぎるというほどでもなくゆっくり見れました。
バレエのことは全然知らない。小学生のころバレエ教室に通う友達の発表会、とかでしか見たことがなく、ストーリーのあるちゃんとしたものは見たことがない。
一番近いのだと、「中国の不思議な役人」なら見たことがあるが、アレをバレエとは言ってはいけないかもしれない。パントマイム劇だものな。
モダンバレエとパントマイム劇の線引きはあやふやな気もするけれど。
なのでセルゲイ・ポルーニンについては詳しくない。こちらのサイトがわかりやすいかもしれない。
映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』公式サイト
史上最年少でイギリスロイヤル・バレエ団のプリンシパルとなったにもかかわらず、わずか2年で退団
バレーダンサーにもかかわらず、全身にタトゥーを入れる
などという行動から反逆児と呼ばれたりもするが、貧しい環境から家族を救い出そうとバレエに打ち込み、貧困から何とか脱却するも家族は壊れてしまうという重い過去があるようです。
自分のバレエで、家族を一つに戻すことはできなかったけれど、世界を一つに出来ないだろうか、、?
生きるための、苦しみから抜け出すための手段としてのバレエから逃げ出し、自分の意思で真の自己表現としてのバレエに再度取り組もうとしているのではないか。
そういう風に思った。
作品は美しいけれど、モデルがあまりにパワフルなので写真家の作品というよりモデルの魅力のほうが暴力的に強い。
こういうのって写真家の個性とモデルの個性と、どちらを前面に出すべきだろうね。少なくとも今回は、タイトルがモデル名を冠しているのだから写真家の個性は控えめにしたほうがいいだろうね。
ポスター等に使用されている写真。映り込み激しいw全然PLフィルター使いこなせてないww
人間離れした、爬虫類めいた顔。ブラット・ピットとか思い出す。
とても美しく、背徳的な印象を受ける人だ。タトゥーのせいではなく表情の聖だろうか。萩尾望都の描く何かをあきらめた大人のような。
健全セクシーさというよりも、退廃的な色気を感じる人。
まるでアポロンのような肉体だ。
足はものすごい筋肉の塊なのに、胸板は異様なほど薄く胸筋がない。踊ることに特化した体なのだろうと思う。その体にタトゥーを入れたのはなぜなのだろうか。
ダンスの映像も見れたのだけれど、とても苦しそうだった。
踊ることが、抑制された体の動きが、感情を無理に押し込めようとして、それができずに踊らずにはいられないかのような爆発的なものがあった。
Youtubeで踊りが見れるから見たらいい。
とても興味深く面白い展示だった。特に何の説明もなくただ掲示してあるだけだけれど、センスが良かった。
また新しい展示をやるならここに来てみたいと思ったよ。
池袋の目的 岡野 友敬個展
池袋東武で岡野 友敬さんの絵を見たけど、東武デパートの公式サイトに情報無いのなんで?
http://pomotaka.com/ ←公式サイト
絵本みたいでかわいらしいね。特にグループに所属したり商業で描きまくってたりするわけじゃないみたいだけれど、趣味で書いてFacebook乗せてたら個展開くようになったってすごいな。
池袋西部にも行ったけど、今回は工芸の展示販売で。まぁきれいだけどそれって同じデパートの食器売り場に売ってる作家モノとどう違うの?って感じだね。
で、そもそもなんで2週連続で池袋に行ったかというと、これですよ。
買ってしまいましたよ。
週末天気がよかったら植物園に行くんだ~!という、今日はほぼただの日記。
池袋東武で猫を見る 名古屋剛志
今日こそ文化村の話をしたかったんだけれど、先週間違えて持って帰ってしまった京都人が週末図録を持ってきてくれなかったので、別の話をしよう。
日曜日、また池袋に行ったんですよ。
そんで、東武百貨店に行ってみた。できた当初は日本一大きいデパートだった気がする。今はどうなのかな。でかければいいわけじゃないけど。
名古屋剛志さんという人の個展やってたよ。
チラシには載っていないのだけれど、「放蕩息子」という作品がとてもよかった。
名古屋剛志『放蕩息子』 | ギャラリーユマニテ(北九州市八幡西区黒崎)
これだね、ビー玉が散らばる中で黒猫が澄ました顔して毛づくろいしているの。かわいい。
この「気になる関係」というのも、黒猫バージョンもあってかわいい。私がお金持ちだったら白黒そろえたい。
桁が1つ下がらないと、とても手が出ない。金箔だしなぁ、そんなもんなんだろうなぁ。
こちらの「ふく」印刷だとぼんやり見える背景の横線みたいなの、魚でした。
金箔を貼り、それをヘラかなんかで押して線を刻んで魚の形を浮かび上がらせている感じ。かわいい。
展示は水曜までだから近くによったらのぞいてみればいいと思う。猫、すごくかわいい。
公式サイトは作品が古いのかなんか普通の新進日本画という感じだけれど、展示作品はどれもきれいで面白い。どことなくユーモラスな感じで、このおさかなとか絵本を見ているような感じもある。
日本画、それも金銀の箔を張ってあるのは印刷だと良さがかなり殺されてしまう。
生で見たほうが断然楽しいよ。